秘密の同居 ~secret love~

「先生?」

「実は、さ…宮島って、すげぇ…俺の彼女に似てるんだ…もっとすごいのは名前も柑菜っていうの」

先生は力が抜けたように椅子に座り、私も先生の向かえの椅子に座る。

「その彼女とは結婚する予定で…結婚式場も用意してたし…あとは、結婚式をあげるだけだったのに……死んじゃったんだ。トラックにはねられて…」

トラックに……

想像しただけでも、涙が出てくる。
先生は辛い思いをしていたんだよね…

それなのに、
私ってば、変態教師って心の中で悪口言って…

「先生…辛かったね…」

私は泣きながら、先生の頭を撫でる。

「ほんと、そっくりだな。俺の彼女も、落ち込んだときそーやってしてくれた」

にひっと笑う先生は、
子供らしくて…
見た目は立派な大人だけど、中身はまだまだ子供なんだなって思う。

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