秘密の同居 ~secret love~
「あ、いや…なんでもない…わ、忘れちゃった~」
「え、悠梨?」
アハハっと笑う悠梨は、
無理をしてるようにしか見えない。
「あ、じゃあ…私帰る、ねっ」
悠梨は、パタパタと走って帰ってしまった。
ポツンとおいていかれた私は、
トボトボと帰る。
真守さんが家に居れば、
ルンルンスキップで帰ったのに…
いや、ままが嫌なわけじゃないよ?
むしろ、ままのこと大好きだけど…やっぱり真守さんがいるのといないのじゃ、違う…。
「柑菜〜」
こ、この声は……
「千聖!!」
ここで、マンガの世界だったら…
千聖じゃなくて真守さんが来るところなんだろうけど…
「なに、お前一人なの?」
「うん…まぁ」
…なによ、
その哀れな人を見るような目は!!
「…よし、俺が送って行ってやる」
そういうと、私の手を握ってスタスタと歩き始めた。