秘密の同居 ~secret love~
───ピンポーン
…?誰だろう、こんな早くから。
時間はまだ8時半。
自分でもなかなか早起きだなって思う時間。
涙を拭いて、玄関に行く。
「はい、どちら様ですか?」
「…えっと、前野です」
前野さん?
聞いたことのない名前。
でも、一つわかることは女の人ってこと。
「あの…えっと……真守さん、今寝てて…」
「あ、そうだったんですかっ!せっかく来たのに…」
…多分だけど、おそらくだけど。
昨日の女の人だと思う。
ドアにある覗き穴から見れば、すぐわかるけど…見たくなかった。
見ればわかるのに、
自分から知りたくなかった。
「もしよかったら、中で待たせてもらえませんか?」
「…いいですよ」
私は、この言葉を待っていたのかもしれない。
相手からそう言われるのを。
ドアを開ければ、昨日の女の人が立っている。
それも、素敵な笑顔で。
…仕方ない。
そーゆー状況を作りたかった。
ただそれだけ。私は、ずるい女。