秘密の同居 ~secret love~
第五章
覚悟したんです。
「ほら、柑菜行くよ~」
「や、待ってくださいっ!ま、まだこころの準備が〜っ」
「ええから、行くで」
朝からこんなやりとりが何度も繰り返される。
「お母さんのとこ顔出さんと、夏休み中一度も顔だしとらんやろ?」
「いやですーっ」
そう、お母さんの所。つまり、私の家に顔を出しに行くんだけど…
私はお母さんに顔を合わせたくない。
嫌いってわけじゃなくて、真守さんとの同局を反対されるかもしれないから。
帰ってこいって言われるかもしれないから。
「なんで、そんな嫌なん?」
真守さんは、ソファに座る私の前にしゃがむ。
「だ、だって…」
「ん?だって?」
「もう、同居終わっちゃうかもしれない…から……付き合ってるって知ったら…ままダメっていう…きっと」
「そーゆうことな?かわええこと考えるなぁ」
ポンポンと私の頭を撫でる。