秘密の同居 ~secret love~

いつもより早く起きて、
いつもより早く準備して、
いつもより早く家を出る。

「柑菜、いってらっしゃい」

「……」

ずっと下向いてたから、
真守さんがどんな表情をしてたかなんてわからない。
笑ってた?悲しい顔だった?それとも、怒ってた?

声を聞く限りいつもの優しい顔だったんじゃないかって思う。


それから、どうやって学校に行ったのか…
ずっと無意識で、気づいたら学校にいた。

「柑菜おはよ」

「うんー」

なにかいわれてもそんな感じで、授業中はずっとぼーっとしていた。

今日は真守さんの家に帰りたくないな。

顔を合わせたくない。

ただそれだけだった。
これ以上、真守さんのそばにいたら傷つけてしまいそうで怖かった。
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