秘密の同居 ~secret love~
〜柑菜side〜
「柑菜、道路を渡る時は右と左確認すること!飛び出したらダメだからね」
「はーい」
小さい頃の私と、もう一人男の子が手を繋いで笑顔で話している。
あぁ、知ってるこの感じ。
…懐かしいな、なんで忘れてたんだろ。
あなたのことを…
ねぇ、まもくん?ううん、真守さん。
「んっ…」
「柑菜」
「ま、真守さん?」
目が覚めて最初に目に入ったのは、真守さんの顔。
あれ、私…なにして……
思い出そうとすると頭が痛む。
ゆっくりと身体を起こすと、そこは病室だった。
「よかった、柑菜」
真守さんは、いきなり私を抱きしめる。
強く私の存在を確かめるように。
「…あのね、真守さん」
「ん?どした?」
「…まもくんなんだよね?真守さんは」
「?!…うん……黙っててごめんな」
やっぱり、私全部思い出したの。
小さい頃の記憶を。
真守さんの…まもくんの存在を。