秘密の同居 ~secret love~

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「その事故のせいで、柑菜は俺と俺の家族の事だけ綺麗さっぱり忘れてしまった」

「え…そーなんだ」

…知らなかった。

「…だから、できるだけ思い出させないようにアルバムも見せられなかったし…今の今まで会わなかった…でも、柑菜のお母さんが会わせてくれたんや」

お母さんが??

「今の柑菜なら、思い出しても大丈夫ってきっと受け止めれるって」

「うん…あのね、真守さん」

言わなきゃいけないことがある。

「ん?どした?」

「ごめんなさい…」

言えた。
涙が溢れて止まらなくなった。

真守さんは、何も言わず頭をなでてくれた。
大丈夫だよって、怒ってないよって、
そう言ってるみたいだった。


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