秘密の同居 ~secret love~

「きょ、今日はほんとに楽しかったです///真守さんの彼女になれて幸せでした//」

「俺も楽しかったで、ありがとうな」

よしよしと頭を撫でる真守さん。


やだな…
元の関係に戻りたくない…。
真守さんの特別な存在でいたい。

「もう、今日が終わるな」

あと、5分ほどで今日が終わる。

このまま時間が止まればいい。
この時間のまま…動かなければいい。

「柑菜?」

「真守さんの…彼女になる人は……ほ、ほんとに幸せです…ねッ」

「泣くな。俺、柑菜の笑顔…大好きやで。ほら、笑って」

真守さんは、ギュッと抱きしめてくれる。

その言葉は、ほんとなのか…嘘なのか。
わからないよ…真守さん。

12時を知らせる時計の音が鳴る。
真守さんは、そっと私から離れる。

「もう、時間やな。また、今日からよろしくな柑菜」

「はい、よろしくお願いします!!」

私と真守さんは、同居人に戻った。


“お前は俺の特別な存在やで”

離れる寸前に、言われたあの言葉は…
彼女だったからか…
それとも、ほんとに特別な存在なのか…

言われた時に、時計の音が鳴っていたからどっちなのか私にはわからない…。
< 49 / 381 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop