渇いたKiss
「ただいまぁ」
玄関の方から声がしてきた。
もちろん声から言ってケンたちの母親。
リビングのドアから現れるその姿は、とても50歳のおばさんには見えない。
まだまだバリバリのキャリアウーマンだ。
「あらぁ、みんな揃ってるじゃない」
「おっ、愁も美桜も久しぶりだなぁ」
「レンさん…2日前に会ったばっかっすよ」
蓮さんっていうのはケンたちの父親。
ちなみに母親の方の名前は綾乃さん。
「俺はみんな久しぶりだなぁ」
「あら、私たちもよねぇ?あなた?」
「そうだな。っていっても1ヵ月じゃ何も変わってないな(笑」