ショータロー☆コンプレックス2
「う、うん……」


「よし。じゃ、話がまとまった所で帰るか。家まで送ってやるよ」


辻谷は晴れ晴れとした表情でそう言いながら先に立って歩き出した。


「親父の車借りて来てるから。すぐそこのコインパーキングに停めてあるんだ」


「え?運転して大丈夫なの?」


「何が?別に問題ないだろ?」


オレの問いかけに、辻谷は足を止め、不思議そうな表情で振り向いた。


「だって、左腕ケガしてるのに……」


「ケガって言ったって、曲げる時にちょっと痛む程度だぜ。オートマ車だから頻繁にギアチェンジする訳でもないし、別に平気だろ。それに、普通に街中走ってて、そんなハードにハンドル動かす事もないしな」


「いや、でも……」


「だ~いじょうぶだって!ホントに大したケガじゃないんだから。ほら、行くぞ」


言いながら、とっとと歩き出した辻谷の後を、仕方なく付いていく。


たとえ差し支えはないとしても、オレだったら心理的に、ケガをしている時に運転する気分にはなれないかも。


こういう点、やっぱコイツってハートが強いよな、と思う。


「で?その後ルミちゃんとは進展あったのか?」


ほどなくしてパーキングにたどり着き、お互い運転席と助手席に乗り込んでシートベルトをかけている所で、辻谷は待ってましたとばかりに問いかけて来た。


「へ?」
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