僕の学校生活
「あ。」
僕の耳に聞き覚えのある声が聞こえました。
少し遠くのところにいたのは…
「黒崎君…!」
黒崎君は僕の近くまで駆け寄ると
「わりぃ、俺予約済み。…行くぞ」
と言って僕を引っ張ってくれました。
…今度は黒崎君に助けられてしまいました。
黒崎君はずんずん歩いていきます。
「あ、あの、黒崎君?」
僕が呼び掛けると黒崎君は
やっとこっちを向いてくれました。
「前にも言ったが、もっと声を張り上げろよ。困るのはお前だぞ。」
「はい、もう困り果ててます。
助けてくれてありがとございました。」
まぁ俺には関係ないけど、とまた前を向いてどんどん歩いていく黒崎君。
その不器用にしか見えない優しさが
僕にとってどれほど嬉しかったのか、
誰にもわからないと思います。