モテKingのターゲット
「ケンっ、行くぞ!」
「はっ?おいっ、行くってどこに行くんだよっ」
「どこって、女子トイレ!」
「はぁーッ?!」
あの瞳が気になって仕方なかった。
高校生活を楽しんでる感じは微塵もなく。
周りの視線を惹きつけるほどの美貌を兼ね備えているのにもかかわらず、それを鼻にかけるような素振りも見せない。
かと言って、誰かを恨むような鋭い眼差しでもなく。
何ていうか………『無』の境地みたいな瞳。
まるで人形の瞳のように、色が無いような温度が無いようなそんな瞳だった。
華の女子高生で、しかもあれ程の容姿を持っているなら、キラキラ輝いていておかしくないのに。
だから、俺は気になったんだ。
何で、あんな瞳をしてるのかと。
様子を窺いながら、話でもしてみたいと思って後をつけてたのに。
まさか、トイレで倒れてるって事はないよな?
ってか、もっと嫌な予感がしてならない。
もしかして、トイレで自殺なんてしてないよな?!
「すみませーんッ!知り合いの女の子を探してまーすッ!!」