モテKingのターゲット


妹がいたら、きっとこんな気分だったのかな?って考える事がある。

頼ってくるようなタイプじゃないから、余計に気になるのか……。


男女間の友情なんてどういうものか、よく解らない。


この気持ちが何なのか。

言葉にするのは難し過ぎる。



けれど、今の蘭の恰好はどうにかしたい。

黒い噂がどうとかじゃなくて、これ以上危険な目に晒したくない。


痴漢対策にしろ、野獣対策にしろ。

とにかく、今すぐにでも止めさせたい。



「止めるつもりは無いのか?」

「………今のところは」

「じゃあさ、蘭も俺に条件付けろよ」

「えっ?」

「そしたら、平等じゃん?何か無いのかよ、俺に止めて貰いたい事」

「…………」


急に俯き加減になった蘭。

何か、止めて貰いたい事でもあるのだろうか?


「遠慮なく言えよ。お前にとっちゃ、相当の覚悟だろうし」

「……………じゃぁ」


蚊の泣くような弱々しい声が漏れ出した。


「ん?………言ってみ?」


立ち止まって、彼女の顔を覗き込むと。


< 143 / 168 >

この作品をシェア

pagetop