モテKingのターゲット
妹がいたら、きっとこんな気分だったのかな?って考える事がある。
頼ってくるようなタイプじゃないから、余計に気になるのか……。
男女間の友情なんてどういうものか、よく解らない。
この気持ちが何なのか。
言葉にするのは難し過ぎる。
けれど、今の蘭の恰好はどうにかしたい。
黒い噂がどうとかじゃなくて、これ以上危険な目に晒したくない。
痴漢対策にしろ、野獣対策にしろ。
とにかく、今すぐにでも止めさせたい。
「止めるつもりは無いのか?」
「………今のところは」
「じゃあさ、蘭も俺に条件付けろよ」
「えっ?」
「そしたら、平等じゃん?何か無いのかよ、俺に止めて貰いたい事」
「…………」
急に俯き加減になった蘭。
何か、止めて貰いたい事でもあるのだろうか?
「遠慮なく言えよ。お前にとっちゃ、相当の覚悟だろうし」
「……………じゃぁ」
蚊の泣くような弱々しい声が漏れ出した。
「ん?………言ってみ?」
立ち止まって、彼女の顔を覗き込むと。