モテKingのターゲット


「抱かせろ」

「……………ふぇっ?」


俺の言葉に反応して、まの抜けた声が漏れ出した。


ゆっくりと耳元から上体を起こして、真っ直ぐ彼女の瞳を見つめると。

真ん丸な黒目がちな大きな瞳が俺を映し出した。


「お前を抱きたい」

「ッ?!…………ムリムリムリムリッ!!絶対無理っ!!他を当たって下さいっ!!」

「何でだよ」

「何でって………」


俺から逃れようと視線を外し、必死に言い訳の言葉を探す蘭。

そんな彼女を追い求めるかのように、俺は彼女の視線の先へと回り込む。


「この俺が抱きたいって言ってんだぞ」

「だからだよっ!!」

「あ?」

「周さんはカッコイイし、モテるし、優しいしっ!!それに………私みたいな火傷だらけの女を無理して抱かなくたって、美人で可愛くて肌の綺麗な子は他にも沢山いるでしょっ?!」


コイツは馬鹿か?

真剣な顔をして力説してるけど、言ってる事が全部……俺を煽ってるって気付いてない。


俺を褒めてどうすんだよ。

しかも、火傷が断る理由?

そんなもんは、欲情を削ぐ材料にはなんねぇって。


「ほら、見てって!!」


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