モテKingのターゲット
「失礼しま~す」
「朝から、どうしました?」
「物凄く頭が痛いんですけど」
「そうですか。では、これで体温を計って貰えますか?」
すっかり養護教諭の顔に変った先生から体温計を受取り、それを脇下に入れる。
「クラスと名前は?」
「3年F組、久峨 周です」
「3年F組だと、橘先生のクラスですね」
「………はい」
ピピピッと電子音が響き、俺は体温計を取り出す。
――――37.4℃
「微熱ですね。他に症状はありますか?」
「………いえ」
「そうですか。では、少し横になって様子を見ましょう。担任には私の方から連絡を入れておきます。一番奥のベッドに横になって下さいね」
「………はい」
「少しの間、職員室にいますので」
「………はい」
先生は白衣を羽織って、保健室を後にした。
俺はすかさず室内を見回す。
……あった!
窓際にある机の上に、ご丁寧に置かれている紙袋。
俺は迷う事無く、その場へと。
心の中で謝罪の言葉を唱えながら、中身を確認すると。