モテKingのターゲット


私の腕を引き寄せ、身体に軽い衝撃を受けた。

私の身体は抵抗する事無く、彼の身体にピタリとくっついた。

そんな私の腰を空いてる方の腕でガッチリ押さえ込んだ彼。


完全に逃げ場を失ってしまった。


男って、どうしてこうも力尽くでねじ伏せようとするのかしら?

強引にしたら、怖気づいて屈服するとでも思ってるの?


こんな風に無理やり身体の拘束を奪われる事もしょっちゅう。

強引に迫れば、私が流されるとでも思っているみたい。

私はそんな尻軽女じゃない!


尚もキッと睨み上げていると、眉間にしわを刻んだ彼の顔がゆっくりと近づいて来た。


「お前、そういう態度してると、いつか痛い目見んぞ」

「……お気遣い有難うございます」

「フッ、親切心で忠告してやってんのに、可愛げの無いヤツ」

「そんな事、あなたには頼んでませんから。余計なお世話よっ」

「あぁそうかよ。痛い目見ないと分からないみたいだな、このバカ女は」


そう耳元で吐き捨てた彼は、そのまま耳元から首筋に顔を埋めた。


――――そういう態度も飽き飽きしてんのよッ!!


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