モテKingのターゲット
私は蒸発しそうな怒りを右脚に込めて――――。
「うっ……」
「バカじゃないの?少しくらいモテるからって、私をそこら辺にいる女と一緒にしないでくれる?女なら誰でもその気になると思ったら大間違いよッ!!」
「ッ……お前っ、……ぜっ……てぇ…………許さっ……ねぇッ!」
彼は大事な部分を押さえながら蹲った。
フフッ、いい気味よ。
せっかくのイケメンが台無しね。
ご愁傷様。
「あら、どうかされました~?」
嫌味な言葉を投げかけると、物凄い視線を向けて来た。
「おまっ………ぜってぇ……ゆるっ………さっ………」
痛みに顔を歪める彼。
脂汗を滲ませている。
「からくり人形かしら?……同じ言葉ばかり」
私は思い切り彼の股間を蹴り上げたのだった。
だって、あの状態で他に出来る事が無かったからね?
激痛に喘ぐ彼を見下ろし、私は嘲笑いながら。
「翔くんのお兄さん、お大事に~」
挨拶を吐き捨て、その場を後にした。
久しぶりにヒットしたわね。
身長差があっても意外とイケるもんだわ。
自分の膝に労いの視線を落としたのだった。