モテKingのターゲット


先日見た、このクラブのママらしき人物のもとへ。


「ママ、2人分のご飯ちょうだい」

「あらっ、蘭の彼氏さん?」

「あっ、いえ、違います」


ニッコリと微笑まれて、思わず顔を横に振った。


「ママ、彼は『Anne』の息子さん。話したでしょ?同じ学校の先輩だって」

「あぁ~」


彼女の言葉に納得したようで、俺の顔を真っ直ぐ見据えてゆっくりと丁寧にお辞儀をした。


「娘の蘭がいつもお世話になっております。蘭の母親の泉と申します」

「…………へっ?」

「娘からいつも話には聞いてたんですよ?イケメンな兄弟だって………オホホホッ」


ニコッと微笑む姿は、クラブのママの風格がある。

30代前半、下手したら20代後半にも見れる容姿は美魔女そのもの。


けれど、17歳の娘がいるって事は、若くても30代後半だと思うけど……。


「あら、やだ。そんなに見つめられたら、勘違いしそうだわ、ウフフフッ」


蘭の母親の言葉でハッと我に返る。

俺は無意識でガン見していたようだ。


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