モテKingのターゲット
何か、コイツと一緒にいるの………ムカついて来た。
だって絶対『私、ショッピングモールで中年の男の人と買い物してたの見た!』とか言って、広めそうだもんな。
確かに、化粧品を男と選ぶあたり、かなり微妙だけど……。
でも、嘘を上塗りするような女とは、これ以上一緒にはいられない。
シンデレラ・美月ちゃんは、ここまでだな。
何て言って引き揚げようか旨い言葉を探していると。
「おっ、イケメン君じゃねぇか」
「ッ?!………うっす」
「えっ?……シュウくん、知り合いなの?」
買物が終わったようで、紙袋を手にした蘭と志垣さんが目の前に現れた。
志垣さんは、俺の隣りにいる美月を隈なく眺め、フッと鼻で笑った。
そんな視線を浴びた美月は、俺のシャツの袖を引っ張りながら、問い詰めて来る。
そして、俺の目の前の女・蘭は、射竦めるような視線を向けて来た。
「ねぇ、シュウくんってばぁ!」
「あ?……ってか、お前シャツ引っ張んな!伸びんじゃねぇかよっ」