いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
私は頭を抱え、その場にしゃがみ込んだ。
それからどれくらい時間が経ったのか分からない。
きっと実際の時間にすると、数分、数十分だったのかもしれないけど、私にとってはそれが、数時間、数百時間のように感じられた。
「は、ると……っ」
こんなに追いつめられた状況でも私の口から出てくるのは、大好きな春斗の名前。
結局、私は春斗への想いを捨てられないし、忘れることもできない。
だからきっと私は、私の記憶がきれいさっぱり消えてなくなるまで、春斗を想い続けるのだろう。