いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


───さらり、さらり。


公園のベンチに並んで座る私たちの間を、生ぬるい風が通り抜ける。


………どうしよう。


こういう時って、まずは何から話せばいいのかな。


私がなかなか話を切り出せないでいると、


「心咲」


って、春斗が優しく私の名前を呼んだ。


「……なに?」

「俺、今すごい気になってることがある」

「うん……」

「心咲に聞いていいことなのか、自分でもよく分からない。でも、俺は聞きたい。心咲のこと、全部知りたいって思うから」


そっと俯いていた顔を上げれば、真剣な顔の春斗と目が合って。



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