いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


「心咲は、心咲だ。他の誰でもない。病気があってもなくても、俺はきっと心咲を好きになってた」

「……な、んで……っ」

「当たり前だよ。俺は心咲の心も性格も、全部が好きなんだから」

「ふぇ……っ、っく………」

「今まで悪かったな。心咲にたくさん嘘をつかせて。でも、俺は誓うよ」


春斗は私から腕をほどくと、私の目を見つめて、


「俺は絶対心咲から離れないし、心咲を離さない」


そう言った。


春斗の瞳からたくさんの想いが伝わってきて、私の目からはまた涙が流れる。


ねぇ、春斗。


本当に分かってる?


私、記憶が消えちゃう病気なんだよ……?


春斗のこと、忘れちゃうんだよ……?


あなたはそれでも、私を好きだって言うの……?


私のそばに、いてくれるの……?


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