いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
それに、怖いんだ。
仁奈さんは、もしかしたら春斗のことが好きなんじゃないかって。
だから、春斗と付き合っている私を、しかも病気の私を。
良く思っていないんじゃないかって、そう考えちゃう。
この部屋に漂う気まずい空気に潰されてしまいそうになった時、春斗が3人分の飲み物とクッキーが乗ったおぼんを抱えて部屋に戻ってきた。
それだけで、ちょっと心が軽くなった。
「じゃあ、紹介でもしようかな」
春斗は笑顔でそう言うと、私と仁奈さんを交互に見る。
「こっちが俺の彼女の心咲。そしてこっちが、幼なじみの仁奈」
ここで初めて、仁奈さんとちゃんと目を合わせた気がする。