いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
この日私たちは、春斗と私、仁奈ちゃんと仁奈ちゃんの彼氏さん。
4人で、8月2日に開かれる夏祭りに行くことを約束した。
きっとこれが、私の記憶に残る最後の夏になるだろう。
だから私はその時の光景を、この世界に住む誰よりも強く目に焼きつけるんだ。
たとえ私が全てを忘れる時がきたとしても、心だけには一生残るように。
記憶の中の思い出を思い出すことができなくなったとしても、“私”がこの瞬間を生きたことは確かだから。
私は、一瞬一瞬を見逃すことなく、自分らしく生きていくんだ。