いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
「……あっ、ごめん!ボーッとしてたっ」
「もう、心咲ちゃんってば。……あのね、この人が、私の彼氏の蒼ちゃんだよ!」
恥ずかしそうに笑う仁奈ちゃんが、彼氏である“蒼ちゃん”のことを私に紹介してくれる。
「初めまして。春斗の彼女だよな?俺、蒼っていうから、適当に名前呼んでくれていいよ!」
「……えっ、あ……じゃあ、蒼くん、で……」
「うん、それでいいよ。俺は、心咲ちゃんって呼んでいい?」
「……あ、うん……っ」
初対面の人と話すのは、幼い頃から苦手だ。
っていうか、家族以外の人と話すのが基本的に苦手なんだから、仕方ないよね………。
こんなので、仁奈ちゃんや蒼くんに嫌われないかな……。