いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


春斗の友達は、なんて優しいんだろうって。


春斗がこの前くれたメールには、蒼くんにも私の病気のこと話したよって書いてあった。


仁奈ちゃんだって、私の病気のことを知ってる。


………なのに、ふたりは私を仲間はずれにすることなく、特に腫れ物を扱うみたいに接してくることもなく。


“友達”として、私と接してくれる。


こうして、遊びにも誘ってくれる。


その何気ない優しさが、今の私にとっては何をもらうよりも嬉しくて。


私は仁奈ちゃんと蒼くんを見ると、


「今日はたくさん楽しもうね」


って、精一杯の笑顔を向けた。


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