いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
涙が止まらなくなった。
とうとうその場にしゃがみこんでしまった私の頭上から、バツの悪そうな舌打ちが聞こえる。
そして、
「……これ以上、心咲には近づかないで。あんたなんかに心咲はもったいないよ。心咲は俺が、一生をかけて守るから」
っていう言葉を最後に、瑠希と瑠希の彼女さんは私たちの前から姿を消した。
「………心咲ちゃん」
たくさんの人が行き交う屋台通りの真ん中で、力なくしゃがみこんでいる私の隣に、仁奈ちゃんが一緒にしゃがんでくれる。
「ほら、とりあえず立とう?このままじゃ、いつか心咲ちゃんの浴衣が汚れちゃうよ?」
そう言って、私の顔の目の前に差し出された仁奈ちゃんのてのひら。