いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
自分から手を伸ばして誰かに助けてもらわなきゃ、人は生きていけないと思うから。
……だから仁奈ちゃん、蒼くん、そして春斗。
私が踏み出すその一歩先に、いてくれますか………?
「心咲ちゃん……」
私と仁奈ちゃんのてのひらがひとつに繋がった時、仁奈ちゃんの大きな瞳からポロリと一粒の涙が流れた。
「えへ……っ」
仁奈ちゃんが泣きながら笑って、私をその場に立たせてくれる。
「……心咲」
今度は春斗から名前を呼ばれたから、私は自分の背より幾分も高い春斗の顔を見上げた。