いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


それから私と春斗はふたりで私の部屋に行き、ゆっくりとくつろぎながら他愛ないことをたくさん話した。


仁奈ちゃんと蒼くんのラブラブなエピソードとか、3人での思い出とか。


ふたりのことを話す春斗の瞳はとってもキラキラしていて、本当にふたりのことが大好きなんだなって思った。


彼女である私が、少しだけ嫉妬しちゃうくらいに。


「………ね、春斗?」

「ん?」

「春斗はさ、仁奈ちゃんのこと、恋愛的な意味で好きだなって思ったことはないの?」

「ぶっ、………ごほっ、ごほっ」

「あ、あるんだ?仁奈ちゃんのこと、そういう意味で好きだったんだ?」


私の質問に、飲んでいたジュースを吹き出してむせ始める春斗。


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