いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
春斗の過去に嫉妬したって、どうにもならないことはよく分かってる。
だって過去は誰にも変えられないから。
でもね、やっぱりつらいよ……。
行き場をなくした想いが、私の胸の中をグルグルまわる。
「……でも、違った」
そしたら微かに聞こえた、春斗の小さな声。
私は伏せていた顔を春斗に向ける。
「心咲に会って、気付けたよ」
「……え?」
「本当の恋は、甘くて優しいだけなんかじゃない。つらくて、胸がとっても苦しいんだって」
春斗は、私を見て笑った。
「心咲を想えば想うほど、泣きたくなるんだ。好きすぎて、愛しすぎて。心咲に出会って、俺の世界は180度変わったよ。ありがとう」
優しく目尻を下げる春斗。