いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
でも、私にとっては何よりも幸せな数秒間だった。
「……ごめん、しちゃった」
私から少し顔を離した春斗は、申し訳なさそうに眉を下げる。
………やだなぁ。
春斗にそんな顔してほしいわけじゃないのに。
もっと、笑ってほしい。
そして今よりもずっとずーっと、私のことを好きになってほしいだけなのに。
「春斗……」
どうしたら、あなたに伝わるんだろう。
「……私ね、全然嫌じゃなかったよ?春斗とキスができて、すごく嬉しかった」
恥ずかしさで頭がパンクしちゃいそうだったけど、何とか耐えながら、私は春斗を見て笑う。