いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
部屋の壁にかけられている時計に目をやると、時刻はもう12時30分を指していた。
それを見て、私はあわててお母さんに返事をする。
「待ってー!すぐに行くから!」
ベッドの横に用意してあったキャリーバックと携帯用のカバンを持った私は、ぐるりと部屋を一周見渡す。
「……よしっ。忘れ物はないよね」
しっかりと最後の最後まで忘れ物をチェックした私は、部屋の扉を閉めて1階へとつながる階段を降り始めた。