いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


そして真剣な面持ちで話し始める。


「心咲さんのお父さん、お母さん。今日と明日の2日間、泊まりも含めて、ずっと心咲さんといることを許してくれてありがとうございます」


そう言って深く頭を下げた春斗。


「俺たちふたりにとって、心咲さんにとって。最高の2日間になるように、精一杯楽しんできます」

「春斗くん……」


ずっと頭を下げたままでいた春斗の肩を、お父さんがポンッと軽く叩いてそのままふっと笑う。


「君は、本当にまっすぐで正直な人だな。春斗くんほど純粋な少年を、僕は見たことがないよ」


お父さんのその言葉に、春斗はそっと頭を上げる。


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