いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
新幹線に乗って2時間、電車に揺られて30分。
私たちは今日泊まる旅館に荷物を預けてから、旅館から徒歩10分のところにある水族館へとやってきた。
「わぁー!きれい……」
入場ゲートをくぐると、そこはもう淡い水色の光がたくさん輝いていて、魚の泳いでいる水槽もアクア色に染まっていた。
「ねぇ、春斗!この魚、なんだろう?」
「これ?……俺も分かんないや。珍しい魚だね」
「うん。私もこんな魚見たことないから、すごくびっくりだよ!」
春斗を見上げて興奮気味に言うと、春斗はぷはっと噴き出して笑い始めた。