いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
……むぅ、なんなの。
私、少し子供っぽかったかな。
水族館でこんなにはしゃいで。
もう、高校生だもんね……。
「……ふんっ」
春斗から顔を背けて怒ったふりをしてみると、春斗はあわてて私の肩に手を乗せた。
「ちょ、心咲。怒んないでよ。ごめん、ごめんって」
「……もう、いいもん。春斗なんて知らないからね」
「え、心咲ー。本当にごめん。笑って悪かったよ。だから許して?」
「やだ。春斗なんか、大嫌いだもん」
春斗が一生懸命謝ってくるのが面白くて、私は怒ったふりを続ける。