いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
特別なことは何もしなくていいから、今まで通りでいいから。
そばにいて、“大丈夫”って寄り添ってくれる人が欲しかっただけなのに。
瑠希がいるだけで、私は頑張れるんだよ。
だから瑠希。
私を支える覚悟なんてなくていいから……。
「そばにいてよ……」
私からの最後のお願い。
でも、そのわずかな望みは、
『ごめん、心咲………』
という瑠希の悲しげな声であっさりと断ち切られた。
そして聞こえてきたのは、“ツーツー”という無機質な機械音。
心の中が、真っ暗闇にとらわれていく。
つらいとか、悲しいとか、ムカつくとか。
そういった人間的な感情を通り越して、もう涙も出てこなかった。