いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
でもね、春斗。
それは違うよ。
言葉では言い表せない感情を、どうやって春斗に伝えればいいのだろう。
迷いに迷った私は、そっと自分の布団を抜け出し、春斗の布団の中に身を寄せる。
「……ちょ、心咲?」
布団の中でモゴモゴあわてる春斗を、私はぎゅっと抱き締めた。
「……っ」
その瞬間、私の視線がくるりと回り、目の前には真剣な春斗の顔と部屋の天井。
顔の真横には春斗の筋肉質な腕があって、ようやく“自分は春斗に押し倒されたんだ”と自覚する。
「心咲、まじで襲うよ?」
いつもの優しい声ではない。
低くて力強い男の人の声が、私に降りかかる。
だけど、全然怖くないの。
相手が大好きな春斗だからかな?