いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


私はそっと微笑んで、茶色い明かりが部屋を照らす中、春斗を下からまっすぐ見つめた。


「……襲われるんじゃない。私は、春斗に抱かれるんだよ」


春斗は眉をしかめ、さらに鋭い目で私を見据える。


「その意味、ちゃんと分かってる?」

「分かってるよ……」


そう呟けば、春斗は「はぁ」と小さくため息をついた。


まだ、伝わってないのかな。


私も春斗と同じ気持ちだということ。


私だって高校生だもん。


そういうことを全く知らないわけじゃないし、興味がないわけでもない。


春斗が私を抱きたいと思ってくれてるように、私だって春斗に抱かれたい。


好きな人に全てを捧げたいって思うのは普通のことで、別に変なことじゃないでしょ……?


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