いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
「……伝わったよ、心咲の気持ち。何度も試すような真似してごめん」
「……っ、ううん」
「俺、怖かったんだ。心咲にはそういう気持ち、一切ないと思ってたから。でも、よかった。俺と同じように心咲も思ってくれてて」
春斗はきゅっと目を細める。
「温泉も断られたときは、“心咲は俺と入りたくないのか”って実は落ち込んだんだ」
「いやっ、そ、それは……恥ずかしくて……」
「ははっ、また俺の勘違いか。本当にごめん……」
「そんなの、全然いいよ……」
春斗のサラッとした髪の毛をなでるように触る。
そしたら春斗はこの場の雰囲気を変えるようにキリッと真剣な顔つきになって。
「絶対、大切にするから。だから心咲を、俺にちょうだい?」
私はその言葉に、何度も何度も頷いた。