いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


春斗の唇が私の唇をめがけて近づいてくる。


その後も、おでこ、まぶた、鼻、頬。


私の全てを愛してくれているかのように優しく降ってくる春斗の唇。


春斗に触れられた至るところがジンジンと甘く痺れて、熱を帯びてくる。


「……心咲。俺は心咲を愛してる。心咲が俺のことを忘れても、俺がまた心咲を愛すから」

「……っ、ん」

「だから安心して?心咲に何があっても、ずっと好きだ」


その言葉を合図に重なったふたりの体。


初めて感じる痛みに、思わず涙がぽろりとこぼれる。


でも、とっても幸せな痛みだった。


春斗は私の涙を親指の腹で拭って、


「ありがとう」


そう呟いて微笑んでくれる。


その瞬間、私の胸には“幸せ”がどんどん広がって。


ふたりで迎えた初めての朝は、ちょっぴり恥ずかしくてくすぐったかった。


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