いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。

星の数だけ、きみに愛を。



***

【10月10日】

とうとうずっと恐れていたことが、
私の身に起こりました。

春斗の顔を、春斗の名前を。

忘れちゃった……。

いつだったかな。

病院の先生が言ってたの。

“一番忘れたくないと思っている人を
忘れたときは、全ての記憶が失くなる
前かもしれない”って。

確かに、家族も友達も大切。

だけどね、私が一番忘れたくないと
願うのは、やっぱり大好きな春斗で。

自分の記憶が全て消えてしまう前に、
今の私の想いをありのままに書こうと思う。

これが、日記の最後のページになります。


私が春斗と───


***

< 218 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop