いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


……待って、私、こんな人知らないよ?


どうしよう、めちゃくちゃ怖いんだけど。


写真に写っているのは明らかに私なのに、その私の隣には全然知らない男の子がいて。


でも、私とその男の子はとても仲が良さそうで。


「……はぁ、意味分からないよ……」


考えれば考えるほど頭が痛くなるような気がして、この人のことはまたお母さんにでも聞いてみよう。


そう思ったとき、1階から、


「心咲~。もう9時が過ぎたわよ。早く降りていらっしゃい」


っていうお母さんの声が聞こえた。


私はあわてて「はーい」と大きな声で返事をすると、再びドアノブに手をかけ、部屋を後にした。


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