いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


それから約30分ほど、ずっと日記帳と向き合っていたような気がする。


「……うぅ……、……っく……」


最後まで書き終わる頃には、私の瞳からたくさんの涙が溢れ出ていた。


それらは私の頬を伝い、ノートにポツリポツリとシミを作っていく。


……いけないや。


せっかく書いた文章が、滲んで消えちゃう。


私はパタリと日記を閉じると、近くにあったハンカチで涙を拭い、机のはしっこに置いてあった携帯を開く。


春斗に、“電話をかける”って言って別れたから、かけなきゃ。


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