いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
何もかも分からない中、それでも心咲は必死に生きた。
心咲のおじさんもおばさんも、お姉さんも。
みんな、心咲と一から関係を築こうと、精一杯努力していた。
もちろん、俺も同じ。
両親の判断で心咲が学校を辞めたあとも、俺はほぼ毎日、心咲のもとへ通った。
別に、俺のことを、忘れたことを。
思い出してもらおうと思ったわけじゃない。
ただ、心咲と一緒にいたかったんだ。
俺が、会いたくて仕方なかっただけなんだ。
それに、心咲と約束したからさ。
“また心咲を振り向かせる”って、“もう二度と心咲を離さない”って。