いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
その瞬間、私の胸が急激に早く動き出す。
………きれい。
男の子にこんな表現を使うのは間違ってるのかもしれないけど、彼は本当にきれいな顔立ちをしていた。
「荒嶋春斗(あらしまはると)です。小学生の頃からバスケをしてました。一年間、よろしくお願いします」
彼は二重の目を少しだけ細めて、にこっと笑った。
その笑顔が可愛くて優しくて、また私の胸がキュンと高鳴る。
でもこれはきっと、彼のようにきれいな男の子をこんなにも間近で見たことがないから。
瑠希を好きになったときのドキドキとは、全然違うもん。
なんて、今でも瑠希のことを考えちゃう自分に呆れる。