いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


『……おばさん』


俺は日記をグッと胸に抱き、おばさんの顔をまっすぐ見つめる。


『この日記のおかげで、俺は忘れかけていた大切なことに気付きました。俺はやっぱり、心咲さんが好きです』


突然のことに、目を丸くするおばさん。


『……でも、心咲はあなたのこと、もしかしたら……』

『言いたいことは分かってます。でも、俺があきらめたくないんです。心咲さんのそばにいることを、好きになってもらうことを』

『……気持ちはありがたいけどね、春斗くん。あなたは、あなたの人生があるのよ?それなのに……』


おばさんは悲しげに瞳を伏せた。


確かに、おばさんの言いたいことも分かる。


……だけど。


『心咲さんは、俺を信じてくれています。……でも、それだけじゃない。心咲さんと交わした約束なんて関係なく、俺には心咲さんしかいないんです。俺が心から愛しく思えるのは、彼女だけだから……』


もう一度、おばさんの顔を強く見つめる。


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