いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
荒嶋くんはそんな私に戸惑うばかり。
「……でも、松岡さん、そのバック重くて持てないでしょ?俺が校門まででも持ってあげるから」
「………いい」
「なんで?遠慮しなくていいのに」
私は必死に荒嶋くんから距離を置こうとしてるのに、荒嶋くんはそれに気付いていないのか、私に向かって優しく笑う。
そんな彼に、だんだんとイライラが募っていくのが自分でも分かった。
「だから……っ」
今までで一番大きな声が出る。
ああ、ダメだ。
もう止められない。
「迷惑なの!初対面のくせに、馴れ馴れしくしないで!」
「………」
「……あ、ごめんなさい」
言いたいことを言ってから、すぐに後悔した。