いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
診察室に案内された私とお母さん。
私はそこにあった椅子に大人しく座り、お母さんは看護師さんが追加で用意してくれた椅子に腰掛ける。
目の前には、真面目そうで、でも優しそうな雰囲気をまとった年配のお医者さん。
「今日は、どんな症状があってお越しになられましたか?」
お医者さんのその問いに、私は最近自分の身に起こった出来事を、特に気にすることもなくそのまま話しだした。