いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


4時間目が終わり、お昼休みに入ったクラス中に、大きな笑い声が響き渡る。


私はその笑い声を背に、てのひらをそっと机の中に差しこんだ。


───ガザガザガザ。


たくさんの紙が擦れる音がする。


「はぁ……。またか」


私は、もう何度目かも分からないため息をついた。


そして机の中に差しこんでいた手を抜くと、私の手の中にはくしゃくしゃになった紙切れ。


《死ね》

《男タラシ》

《キモい》


紙を開けば、やっぱりそこには私が想像していたようなことが書かれていた。

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