いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


「……なんで?」


あんなに冷たく言ったのに、彼はひるむどころか、またあの優しい笑顔を私に向けてきた。


最初の方は、あれほどひどく傷ついた顔してたのに。


一週間も冷たくされ続けたら、慣れてくるものなのかな。


「………なんでもなにも、嫌だからに決まってるでしょ。私はね、人と一緒にいるのが嫌いなの」


また、思ってもないことを口にしてしまう自分。


………ほら、早くあっちに行ってよ。


私、すごく睨まれてるじゃん。


こんなんじゃ、もっとイジメがエスカレートしちゃうよ。


今のこの紙切れでも、結構つらいのに。


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